「この器には“手間暇”の一言では足りないほどの、技術と情熱が込められています。」<後編>

<前編>の記事に引き続き、有田焼が出来上がるまでの工程を、

有田焼窯元【田清窯】さんの工場見学を通して、少しずつお話しします。


さてついに、本窯での焼成です。

焼成後の器は、生地の時と比べて大きさが10%ほど収縮します。

より硬く丈夫になり、表面も艶やかな透明になります。

田清窯さんでは、1,230℃の高温で焼成し、およそ18時間かけて焼いていきます。

右奥に見えるのが本窯です。扉を開けると内部はこのようになっています↓

↑見てくださいこの重厚感、扉の厚みも半端ない!

高温で長時間焼かれた器は、急に冷ますと割れてしまいます。

窯の中でさらに時間をかけて、ゆっくり冷ましてから窯から出されます。

↑この、隙間なく、無駄なく、窯の大きさにぴったり収まるように積まれた器!

  「いかに支柱を少なくして、器を多く積めるかが肝心なんです」

  「隙間には箸置きや小さな器を置いて無駄のないようにしています」

器の大きさも様々ありますから、ただ積むだけではない、熟練の感覚が必要なんですね。

工場内に入ってからずっと、「すごい!すごい!!」と感動の連続です。


ここからさらに、金や銀、赤・緑・黄・紫・青などの色絵(錦・赤絵)を施す工程を上絵付けといいます。

釉薬の上から描くので「上絵付け」、また色とりどりの上絵具が使われるでの「錦」や「赤絵」ともいわれます。

ちなみに、田清窯さんの上絵具は、有害物質(鉛やカドミウム)を含まない『無鉛絵具』だそうです。食事に使う器でも安心ですね。

↑この「結び」の器の赤線・金線・プラチナ線は、

上絵付けの工程で職人さんがひとつひとつ丁寧に手描きされています。

↑回転台に乗せて、盃の外側を塗っています。

色ムラが出ないよう、力加減は均等に。あっという間に赤く染まりました。

↑上絵焼成↑

上絵具が乾いたら、はい、ここでまた窯に入ります!

上絵具をしっかり定着させるため、870℃で9時間かけて焼いていきます。

ちなみに田清窯さんでは、この工程は社長がなさっているそうです(^^)

色の出方によっては、ここで2回も窯に入る場合もあるそうです…。

窯から出して、ひとつひとつ検品、高台部分のざらつきを研磨して整えたら…

やっと、完成です!!!

拙い説明でしたが、有田焼の製造工程について、おわかりいただけたでしょうか。

今回、田清窯さんの工場見学を通して、

各工程の職人さん方のお仕事を間近で拝見する事が出来て、

『本当に、手間暇かけて、丹精込めて、作られているんですよ---!!!』っと、

声を大にして言いたくなるほど感動しました。


「この器には“手間暇”の一言では足りないほどの、技術と情熱が込められています。」

器を手にされたお客様にも、この感動をお伝えできるように

私たちもこれから努めて参ります。

▼田清窯さんの公式ホームページはこちらです▼

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